空間の感触

蓼科の山荘

蓼科の改築現場に、建具が入って来た。

国産杉の持つ、素直で優しい表情。

この建具のガラスは、木の葉と梨地の切り替え。

蓼科の山荘
国産杉の建具

この山荘を建具屋さんは、新築と勘違いしている。
現場にやって来るタイル屋さんも、左官屋さんも。

蓼科の山荘
アンティークガラスと国産杉の建具

この、「木の葉」のガラスは、以前の山荘に使われていたもの。
この、小さなガラスは、長い時間に埋もれていた記憶を呼び起こす仕掛け。

面白い事に人間の記憶は一瞬で、時空を飛ぶ。
臭覚と記憶は直結している事が簡単に解るけれど、視覚も断片的に直結したものを感じる。

蓼科の山荘
木の葉模様のガラス

日付まで遡れないけれど、

あの頃の、若き父と母。
そして自分達。

そして、記憶を巡る、その当時の何気ない日常。

何気ない過去の日常、人間の記憶には、何故、その様なものが大切にしまわれているのだろうか。

蓼科の山荘
そのままの容の吹き抜け

過去との会話を終えて、そして、施主さんの一言、

「この空間を、私は、記憶している。」

毎日、あちこちの現場を渡っている各職人さん達が、新築と見間違う程に変わったこの山荘は、新たな息吹を与えられ、これからも施主さんと時代を重ね、記憶を蓄積しようとしている。

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刈払い機

軽井沢の庭

この度、刈払い機を追加した。

上の画像の右側が、今回、購入した新しいもの。
左は前から持っているもの。
新しいものが33cc、古いものが25cc。
供給元は、この前まではフジロビンで、昨年からかマキタラビット。
どちらもスバル系の小型エンジン。

新旧2台、4サイクルエンジンで、一寸、マニアックなマシーン。
ばらして見た事はないが、25ccのエンジンは、ペットボトルの蓋位のピストンに、小指の頭位のバルブが忙しそうに動いている筈。
模型の様なスケールで、それでいてれっきとした実用品。

軽井沢の庭

現代版田舎暮らしは、この様な小さな原動機に助けられ成り立っている。
チェンソー・投雪機・薪割り機、そして、この刈払い機。
全てを手作業でとなると、田舎暮らしも大変だが、現代版田舎暮らしは、模型をいじっている様な、マシーンの調子をいつも良い状態に保ち、半分以上、趣味の世界。

古い刈払い機は20年選手、エアクリーナーを替えたり、ストレーナーを替えたが調子がいまいちで、この度、キャブレターを交換した。

軽井沢の庭
刈払い機のキャブレター

不調だったエンジンが、全回転域にトルクが戻った。
古い相棒が、調子が良くなる事は、とてもうれしい。

昨今は電動工具も増えているが、メカニカルな中に感じられる、給気音と排気音が持っている生物的なふるまい、内燃機関はなんともいえない存在。

刈払い機の新しいものは、手を離すとアクセルが戻る様になっていた。

軽井沢の庭
新刈払い機のアクセル

20年前のものは、固定のアクセル。

軽井沢の庭
古い刈払い機のアクセル

刈払い機も安全面で進化している。
しかし、トルクで刈る感覚の4サイクルの刈払い機は、中間領域の回転数を多用する事があり、固定アクセルの方が使いよい。
それでも安全優先、機械にはその内、身体が慣れて来る筈。

軽井沢の庭
刈払い機、チップソーとナイロンコード

古い小型のものにチップソーを装着。
新しい33ccに、ナイロンコード。

25ccのチップソーでは、回転数を上げずに草刈ができ、藪を払うのでも生木なら5cm位のものは一刀で切れる。

軽井沢の畑
ナイロンコードで試し切り

実は刈払い機は、チップソーで藪を払うより、ナイロンコードで細くて密な草を刈る事が大仕事。
藪払いは転がした木を片付ける事が大変だが、ナイロンコードで回しっぱなしのオーバーヒートが怖い。
人間が自然を相手にすると、草だけでも思う通りにはならない。

それでも、ナイロンコードで大型エンジンで刈れば画像の様に美しい。

これから梅雨が明け、盛夏を迎え様という軽井沢、もう少し、超小型モータースポーツの楽しみは続きそうだ。

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初夏の食卓

軽井沢の菜園

我が家のんびりな菜園からも、収穫が出来るものがちらほらと。

我が家のオーガニック菜園は、自然農だから、その他の草を排除しない。

その他の草と共生るる野菜

当然、農薬は撒かない。
化学肥料もやらない。

痩せこけの玉ねぎ。

軽井沢の菜園
オーガニック菜園のサンチュ

苗は原種に近い方が強いよう。
レタスより、サンチュがよく育つ。

軽井沢の菜園
自然農法のサニーレタス

サニーレタスも自然農とは相性がいい。

農薬を撒かなくても、

葉は虫に荒らされない。

オーガニック食材
味の濃い玉ねぎ

痩せこけの玉ねぎ、見掛けは悪いが、味は非常に濃い。
目では確認できないけれど、極微量栄養素は濃いみたい。
そんな味を、口の中の粘膜が感じる。

スーパーから、旬のムール貝を買い込んで。

旬のムール貝

擂り下ろした玉ねぎと黒酢、個人輸入で買ってみた南イタリアのエキストラバージンのオリーブオイルを混ぜてドレッシング。

軽井沢の食卓
オーガニックサラダ

犬にも出来合い食材では可哀相なので、オーガニック野菜の屑で御飯。

軽井沢、犬のいる生活
オーガニックな犬御飯

軽井沢にも、良い季節が訪れた。

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仕上

蓼科の現場は、仕上の工程に入り、職人さんの出入りが増えております。
内部に組まれた足場の上で、左官屋さんが仕上の漆喰を塗っております。

漆喰壁は「純白」・「平滑」に憧れを持っていた、古来の日本人が求めて来た工法だと思います。
当然ですが、自然の中では、純白・平滑面はそんなに出会う事がありません。
「純白」・「平滑」 、もしかすれば、それは人間のコントロール下に置かれた状況かも知れません。

今回は、 「純白」・「平滑」 を崩す。
そんな、お打ち合わせから始まりました。

色を入れる訳ではありません。
鏝痕のパターンを目立たせるのではないのです。
それは、ただ、
「純白」・「平滑」 を崩す。

画像に、光源が2つ写り込んでおります。
冒頭の画像にも、光源が2つ。
漆喰は、光と織り合って表情を変えます。

軽井沢の職人|左官
漆喰の押え込み

煉瓦屋さん、薪ストーブを置く煉瓦の台を施工中です。

軽井沢の職人|煉瓦積み
薪ストーブ回りの煉瓦積み

焼き過ぎの還元状態で焼いた煉瓦、その後、転がしを加えられてワイルドな表情です。
日本製のれんがですから、寸法には動きがありませんが、表情は多彩です。
これをタイルの様に仕上ては表情が違う、煉瓦は煉瓦たる表情を引き出す。

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お庭造り

軽井沢の庭造り

昨年、新築した住宅の、この前から進めておりました庭造りが一区切りになりました。

軽井沢のお庭
緑化ブロック

今から見ると、緑化ブロックを並べている当たりは、景色が殺伐としておりました。

軽井沢のお庭
緑化ブロックと芝が生えてきたところ

芝が落ち着いて来て、良い感じになって来ております。

軽井沢のお庭
鉄平石と浅間山の焼石

この敷地に有った浅間の焼石と、浅科山の麓でとれる鉄平石のを使っております。
細かい砂利も浅間の焼石です。

緑化ブロックの間に蒔いた芝も、元気に発芽しております。

軽井沢のお庭
主屋と揃えた意匠の物置小屋

車の走る路盤も、軽井沢らしく緑化です。
また、小屋や薪棚も主屋に雰囲気を合わせ製作です。

芝や植栽した木々の成長が楽しみです。

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