立夏(5月5日)を過ぎて

道端のすみれ

令和2年の春分は3月20日、それより、地球は太陽の周りを45度、公転を進め、そして立夏。

春も始まったばかりの高原の街は、開花の目白押し。

高原の街は、舞台の幕を切ったかの様に、目まぐるしく開花が続く。

軽井沢町のサクラソウ

日本桜草は、この辺りでは普通にある野草、しかし、全国的に見れば希少種、絶滅が危惧されている。

草の個体には、絶滅は関係なく、この始まった夏の日差しで、精いっぱい咲いて。

朝陽を受けるあけびの花。

決して、目立つ花ではないけれど。

レンズを持って寄り添えば、小作りな可憐な佇まい。

すべてが、生命力に輝いて。

瑞々しく、勢いのある瞬間。

とても、良い、季節。

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巡る季節・流れる時間

昨朝に掛けて雪が降り、目の前にある、圧巻の白い世界に突き付けられるメッセージに、驚愕しておりましたが、それは、日が高くなるに連れ、音を立てる勢いで消える雪の様に、いや不安はその雪より輪を掛けて早く消えて行きました。

冒頭の画像は、万平ホテル近く、知人が所有する、70年もそのままにしてあった別荘地の木を、昨年に間伐した所に、今春に出たアズマイチゲ。

長い間、待っていたんだね。
林床に光が入ることを。

下の画像、咲き誇る八重の水仙、これは軽井沢町追分付近で、道路脇に植えられたもの。
重い雪に潰され、一時は大変な事でしたが、今は力強く立ち上がって来ております。

軽井沢町追分、水仙

70年近く、日の光を浴びられなかったアズマイチゲ、林床に届いた光に、肩を寄せ合って喜んでいるかの様です。

軽井沢、万平ホテル近くアズマイチゲ

高原の街にも、梅の花が咲きました。
梅が自生できない高地、それでも、花は咲いております。

軽井沢町追分、梅の花



春の来ない冬はない

上がらない雨は、降ったことがない

なに、もう少しさ。

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イタリア・ベルギーからの来訪

壁土製作、記念撮影中

この素敵な出会いは、一本の電話から始まりました。

先月に、遠野未来さんから連絡があり、小坂商会とコンタクトを取りたいので、ご協力して欲しいとの事。
小坂商会さんとは、長野市で壁土を練っている所で、私もたまに取引があるので、お安い御用でした。

以前に、 小坂商会のお母さんと、テレビ東京の「和風総本家」のという番組 の「女職人」という様な 切り口で、 ご一緒に出演させていただいたことがありました。

遠野未来さんは、私のご近所、軽井沢町追分在住、世界的に活躍されている建築家で、昨年はThe A+Awardsから賞を頂いております。

遠野未来さんの受賞作品   Shell House/もりのことば   

今回、来日された皆様は、イタリア・ベルギーからの建築家及び建築関係の14名+通訳2名という大所帯でした。

そして、今回のツアーの企画は Genuine Education Network S.r.l のCEO、斉藤由佳子さん。

ツアーのタイトル

今回のツアーのタイトル「sozai」。
ヨーロッパの建築家・建築関係のお仕事の方は、なにを求めて日本に来ているのでしょう?

壁土
練られる過程の土

小坂商会さんで作っている壁土。
15年位前ですと、上田市でも2件、「壁土」屋さんがありました。
今は、この辺りでは長野の小坂商会さんが最後の砦。

サスティナブルなbio建築
自然素材・伝統建築で持続可能なビオ建築

日本では一般的に「古くさ!」といわれる土壁ですが、イタリア・ベルギーの建築関係の方々は、ツアーを組んで日本まで見学に来ている事が、今の先端の世界基準です。

練りあがった壁土
信州の方言では「べと」

練り終わって寝かせてある壁土。
イタリア・ベルギーからの皆さんが、手に取ったり匂いを嗅いだり。
「Fermentazione!」

発酵臭ですね。

土壁
サスティナブル建築の世界最先端の「左官」

日本では「左官」職人の若い年齢層は激減です。
サスティナブルな建築を可能にする土、そして日本の「左官」。
世界の先端での「左官」と、日本で激減している「左官」非対称な面、面白いですね。

土壁
土壁に入れる藁

小坂さんの所の機械は50年生以上、「日本の古い機械は強いのよ!」とお母さんは張り切っていますが、かなりガタが来ている光景。ヨーロッパからの皆様は、そこで生産されるものに、持続可能な未来を重ね合わせて見ている。

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軽井沢、夏の犬の過ごし方

軽井沢で犬にいる暮らし

軽井沢も、気温が30℃近くなる日があり、毛皮を被っている犬は、大変そう。

散歩は、水辺がいい様だ。

軽井沢で犬のいる暮らし
用水に浸かる犬

人間が素足で浸かれば、痛いほどに冷たいが、犬は心地良さそう。
暑くて口を開けて舌を出しているのではなく、心地良いと笑顔の表情。

軽井沢で犬のいる暮らし
苔の上を歩く犬

散歩コースは、出来るだけ木陰に覆われたラフな路面。
軽井沢だって、焼け込んだアスファルトの上では、犬がかわいそう。

画像の緑は、芝ではなく、苔。
大きな木に被われた通り、人間だって、ここに来れば涼しい。

少し走れば、用水の中に浸かり込む犬。
人間の方が、あごが出る。

軽井沢で犬のいる暮らし
用水に腹まで浸かる犬

水に浸かっている犬、暑い表情は一つもない。
高原は、お盆を過ぎれば、秋の気配の空気。

軽井沢での犬の生活、森の中では、野生動物の匂いを追い求め、木陰の未舗装路を走り回ったあとには、用水で水浴び。

軽井沢で犬のいる暮らし
家の中は涼しい

家に帰ってくれば、外の暑さは信じられないほど。
日中は、窓を閉めて、暑い外気を入れない。
犬だって家の中にいれば、暑がって舌を出す事もない。

これは、自然の恩恵に与った土壁の効能。
今年は、畑仕事で火照った身体を冷やす為に、2階ほど、扇風機を回した。

「エアコン嫌いの親父が作った家だもの、合わせるしかないだろ。」
とても、真顔な我が家の犬。

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夏野菜

軽井沢オーガニック菜園

梅雨が明け、太陽が照る日が続くと、畑は俄然、良くなる。
お天道様とは、とても有難いもの。
梅雨で腐れ掛かっていた野菜も、見違える様に元気になる。

軽井沢のオーガニック菜園
自然農のモロヘイヤ・つるむらさき

太陽の恩恵に与ったネバネバ野菜の、モロヘイヤとつるむらさき。
強い日射で育つ野菜、これを食べれば、己の身体も太陽に強くなる筈。

軽井沢のオーガニック菜園
自然農のズッキーニ

ズッキーニは3cm位の厚切りにし、良質なオリーブオイルで、鷹の爪とにんにくをあおったところで、丁寧にローストする。
口に入れた瞬間、粘膜が喜ぶ美味さ。

軽井沢のオーガニック菜園
自然農のミニトマト

トマトは、出来るだけ熟すのを畑で待つ。

軽井沢のオーガニック菜園
ズッキーニとミニトマト

甘味だけではなく、複雑な味の乗ったトマト、酒のつまみになる。
身体の満足度が違う。

今年の天候は、照り付けたかと思うと、午後には夕立。
本当に有難い。
標高970mの畑。
それは、筑波山や高尾山、そして、六甲山より高い所にある畑。

軽井沢のオーガニック菜園
日々の収穫

そんな所の畑でも、毎日、収穫がある。

自然農をやっているとよく言われる、「農薬を使わなければ、虫だらけでしょう?」

答えは、この画像。

軽井沢のオーガニック菜園
自然農のモロヘイヤ

大事な事は、人間が介入して、畑の自然のバランスを崩さない事。
多少の虫食いはあるものの、大勢には何にも問題はない。

今日も現場で打合せに立ち会えば、照り付ける太陽、身体は悲鳴を上げるものの、しかし、畑の事を思えば、表情が緩む。
これが、最大の熱中症対策の様だ。

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風の流れ・潮の流れ

軽井沢、夏の過ごし方

夏の軽井沢は、とても込み合います。
日頃、軽井沢でのんびりしている身には、混雑した軽井沢は、とても、堪えます。
道路もスーパーマーケットも込み合って、殺気立って居るのです。
これ、本来の軽井沢ではないのです。
日常からの軽井沢住みには、この慌しい軽井沢は、耐え難い状況です。

そんな訳で、盛夏の今日は、避暑地・軽井沢を脱出して、更なる避暑に行って来ました。

就職先から帰省している長男と、向かった先は野尻湖です。
ここも、軽井沢と同じく、暑くないのです。同じ方面でも新潟の海は、フェーン現象を受けると、かなり暑いのですが、ここなら、木陰で汗をかく事もありません。

ディンギー
軽井沢から避暑

ヨットを借りて。

湖面を、白波を立ててブローが渡ってくる。
まともに喰らうと、簡単に沈。
5人乗っても帆走する船を起こす事はとても大変。

台風の余波を受けていて、ヨットはしぶきを上げて激走です。
風が細かく巻くので、スキッパーはとても大変。

波をしこたま喰らって、風は激しく細かく回り、それでも激走しておりましたが、何かが変。
セルフ・ベーラーから水が抜けない。

ディンギー
軽井沢から避暑

段々と、船の足が遅くなり、沈の仕方もとても胡乱。
こりゃ!ダメ!
浜にレスキューを求め、来た船に近くの岸まで曳航され、陸に上がり気室から水を抜き、再び曳航。
曳航されて感じた事は、確かに、内燃機関の出力は強いのだけれど、風だけでこの船体をこれ以上のスピードに出来る帆船の技術、再確認です。

気を取り直し、今度はサップ。
やっぱり、散歩している様な、静かな感じ。

軽井沢から避暑
サップ

風を受けて進むヨットからサップ、やはり退屈。

この次は、ウインドーサーフィン。
さすがに、防水処置した携帯電話も陸に置きました。
多分、空気の中より、水の中が大半。

そんな訳で、画像はなし。

こんな夏のひと時。


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噴火

軽井沢の景色

浅間山が、噴火した。

実は、我が家は浅間山の火口から、居住している地域としては、最も火口に近い地域だ。
子供達の通った小学校は、浅間山の火口に最も近い学校で、火口から8km。

しかし、今回の噴火は、空振を伴わず音がなかった。
また、噴火は夜間で見通しも効かない。
だから、噴煙を上げている浅間山の様子も見えない。

つまり、最も火口近くに住んでいる住民が、浅間山が噴火した事を知らない。
のんきなものだ。

そんな中、テレビでは火映現象映し、噴火をニュース速報で流す。
それでも、火口から最も近い住民は知らない。

そこへ、遠方の知人から連絡が入る。
「大丈夫か?」

そんな事で、浅間山の噴火を知る。

自然災害に対して楽観視は禁物だが、浅間山の噴火に伴う過去の事例では、噴火による本格的な被害がでるまでは時間に猶予がある。
火口近くまで登っている登山者は別だが、住んでいる地域は、現状の火口よりそれなりの距離がある。
8kmとなれば、火山弾が飛んでくる距離ではない。

つまり、空振で建具が飛ばされる位が、この辺りの即効性の被害だ。
所詮、その程度。

それでも、火砕流が発生すれば、我が家も駄目かも知れない。
ただ、火砕流が発生するまでには、膨大な噴火量、堆積物が必要。
そんな訳で、火砕流が発生するまでには時間が掛かる。
つまり、その内に、逃げればいい。

大気圏に多量の噴出物を到達させられる噴火は別だが、火山被害は極所。
簡単な話し、大規模噴火でも、ここから僅か数キロ程、逃げればいい。
それも、猶予の時間は、程々にある。

軽井沢の景色
朝靄のテラス

TVやネットでは、浅間山の噴火で大騒ぎだったが、火口に近い地元は、いつもと変わらぬ朝。



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空間の感触

蓼科の山荘

蓼科の改築現場に、建具が入って来た。

国産杉の持つ、素直で優しい表情。

この建具のガラスは、木の葉と梨地の切り替え。

蓼科の山荘
国産杉の建具

この山荘を建具屋さんは、新築と勘違いしている。
現場にやって来るタイル屋さんも、左官屋さんも。

蓼科の山荘
アンティークガラスと国産杉の建具

この、「木の葉」のガラスは、以前の山荘に使われていたもの。
この、小さなガラスは、長い時間に埋もれていた記憶を呼び起こす仕掛け。

面白い事に人間の記憶は一瞬で、時空を飛ぶ。
臭覚と記憶は直結している事が簡単に解るけれど、視覚も断片的に直結したものを感じる。

蓼科の山荘
木の葉模様のガラス

日付まで遡れないけれど、

あの頃の、若き父と母。
そして自分達。

そして、記憶を巡る、その当時の何気ない日常。

何気ない過去の日常、人間の記憶には、何故、その様なものが大切にしまわれているのだろうか。

蓼科の山荘
そのままの容の吹き抜け

過去との会話を終えて、そして、施主さんの一言、

「この空間を、私は、記憶している。」

毎日、あちこちの現場を渡っている各職人さん達が、新築と見間違う程に変わったこの山荘は、新たな息吹を与えられ、これからも施主さんと時代を重ね、記憶を蓄積しようとしている。

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刈払い機

軽井沢の庭

この度、刈払い機を追加した。

上の画像の右側が、今回、購入した新しいもの。
左は前から持っているもの。
新しいものが33cc、古いものが25cc。
供給元は、この前まではフジロビンで、昨年からかマキタラビット。
どちらもスバル系の小型エンジン。

新旧2台、4サイクルエンジンで、一寸、マニアックなマシーン。
ばらして見た事はないが、25ccのエンジンは、ペットボトルの蓋位のピストンに、小指の頭位のバルブが忙しそうに動いている筈。
模型の様なスケールで、それでいてれっきとした実用品。

軽井沢の庭

現代版田舎暮らしは、この様な小さな原動機に助けられ成り立っている。
チェンソー・投雪機・薪割り機、そして、この刈払い機。
全てを手作業でとなると、田舎暮らしも大変だが、現代版田舎暮らしは、模型をいじっている様な、マシーンの調子をいつも良い状態に保ち、半分以上、趣味の世界。

古い刈払い機は20年選手、エアクリーナーを替えたり、ストレーナーを替えたが調子がいまいちで、この度、キャブレターを交換した。

軽井沢の庭
刈払い機のキャブレター

不調だったエンジンが、全回転域にトルクが戻った。
古い相棒が、調子が良くなる事は、とてもうれしい。

昨今は電動工具も増えているが、メカニカルな中に感じられる、給気音と排気音が持っている生物的なふるまい、内燃機関はなんともいえない存在。

刈払い機の新しいものは、手を離すとアクセルが戻る様になっていた。

軽井沢の庭
新刈払い機のアクセル

20年前のものは、固定のアクセル。

軽井沢の庭
古い刈払い機のアクセル

刈払い機も安全面で進化している。
しかし、トルクで刈る感覚の4サイクルの刈払い機は、中間領域の回転数を多用する事があり、固定アクセルの方が使いよい。
それでも安全優先、機械にはその内、身体が慣れて来る筈。

軽井沢の庭
刈払い機、チップソーとナイロンコード

古い小型のものにチップソーを装着。
新しい33ccに、ナイロンコード。

25ccのチップソーでは、回転数を上げずに草刈ができ、藪を払うのでも生木なら5cm位のものは一刀で切れる。

軽井沢の畑
ナイロンコードで試し切り

実は刈払い機は、チップソーで藪を払うより、ナイロンコードで細くて密な草を刈る事が大仕事。
藪払いは転がした木を片付ける事が大変だが、ナイロンコードで回しっぱなしのオーバーヒートが怖い。
人間が自然を相手にすると、草だけでも思う通りにはならない。

それでも、ナイロンコードで大型エンジンで刈れば画像の様に美しい。

これから梅雨が明け、盛夏を迎え様という軽井沢、もう少し、超小型モータースポーツの楽しみは続きそうだ。

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