人間の住んでいる有様、まさに雑多。
無限の時間軸に、人間が反抗するかの様に。
一つの生命が、微かな生の証拠を刻むかの様に。
解体の途中に出た、階段の筆でしたためた文字、「明治30年7月、新調」。
軽く100年の時が飛ぶ。
その歳月を跨いで来た壁。
そして、存在感。
お隣のご高齢のご夫人が、縁側で手仕事をしている音が、半日しかない日射の、狭く切り立った谷間に響く。
ここは限界集落、時の流れについて、深く考えさせる空間。
この建物に、我々が「何をすれば?」ふと、考える。