イタリア・ベルギーからの来訪

壁土製作、記念撮影中

この素敵な出会いは、一本の電話から始まりました。

先月に、遠野未来さんから連絡があり、小坂商会とコンタクトを取りたいので、ご協力して欲しいとの事。
小坂商会さんとは、長野市で壁土を練っている所で、私もたまに取引があるので、お安い御用でした。

以前に、 小坂商会のお母さんと、テレビ東京の「和風総本家」のという番組 の「女職人」という様な 切り口で、 ご一緒に出演させていただいたことがありました。

遠野未来さんは、私のご近所、軽井沢町追分在住、世界的に活躍されている建築家で、昨年はThe A+Awardsから賞を頂いております。

遠野未来さんの受賞作品   Shell House/もりのことば   

今回、来日された皆様は、イタリア・ベルギーからの建築家及び建築関係の14名+通訳2名という大所帯でした。

そして、今回のツアーの企画は Genuine Education Network S.r.l のCEO、斉藤由佳子さん。

ツアーのタイトル

今回のツアーのタイトル「sozai」。
ヨーロッパの建築家・建築関係のお仕事の方は、なにを求めて日本に来ているのでしょう?

壁土
練られる過程の土

小坂商会さんで作っている壁土。
15年位前ですと、上田市でも2件、「壁土」屋さんがありました。
今は、この辺りでは長野の小坂商会さんが最後の砦。

サスティナブルなbio建築
自然素材・伝統建築で持続可能なビオ建築

日本では一般的に「古くさ!」といわれる土壁ですが、イタリア・ベルギーの建築関係の方々は、ツアーを組んで日本まで見学に来ている事が、今の先端の世界基準です。

練りあがった壁土
信州の方言では「べと」

練り終わって寝かせてある壁土。
イタリア・ベルギーからの皆さんが、手に取ったり匂いを嗅いだり。
「Fermentazione!」

発酵臭ですね。

土壁
サスティナブル建築の世界最先端の「左官」

日本では「左官」職人の若い年齢層は激減です。
サスティナブルな建築を可能にする土、そして日本の「左官」。
世界の先端での「左官」と、日本で激減している「左官」非対称な面、面白いですね。

土壁
土壁に入れる藁

小坂さんの所の機械は50年生以上、「日本の古い機械は強いのよ!」とお母さんは張り切っていますが、かなりガタが来ている光景。ヨーロッパからの皆様は、そこで生産されるものに、持続可能な未来を重ね合わせて見ている。

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地盤調査

地盤調査

本日は生憎の天気でしたが、地盤調査をしております。

私が建築を始めた頃は、調査員の方が貫入ロッドの上に100kgの重りを乗せて、貫入初期はそのロッドが倒れない様に押えながら手で回す方式で、100kg分の重りを測定地点まで手で持ち運び、重りを載せて手で貫入ロッドを回す、大変な作業でした。

地盤調査
スウェーデン式サウンディング

今はキャタピラーで自走する機械に、ロッドを回転させるモーターが付いており、重りもつけたまま、測定地点まで自走します。

以前にこの近くで新築したときには、支持盤が5.5mも下にありまして、当然この現場も、地盤は何かしなければ行けない状態では有る事は、予想しておりました。

地盤調査
スウェーデン式サウンディング

5mは覚悟していたのですが、3mで支持地盤が出てきております。
今まで、みるも簡単に落ちていたスクリューポイント(先端の鏃みたいなもの)が、回転を掛けられたままでも落ちなくなりました。
調査員の方がロッドから伝わってくる音を聞いております。

「砂質です。それも、かなり細かい感じです。」

この五感を使うところ、その昔、手で貫入させていたときと同じ感触なのです。
職人技で、なんとも良い雰囲気です。

ロッドに回転を加えても貫入していかない場合は、ロットの頭を打撃します。

地盤調査
スウェーデン式サウンディング

地質の巻いている地盤では、それ程、大きくない石などで貫入が止まる場合があり、打撃を加える事で、貫入が再開する場合もあります。

今回は5ヶ所の測定ポイントを調査いたしまして、5ヶ所とも3mで貫入できない地盤があります。
これが、測定ポイントごとにばらばらな数値だと支持盤の存在が見えにくいのですが、今回の様に全てが揃った数値であれば、安定して形成された強固な支持盤と考えて問題ないと思われます。

前に、ダムの設計をなさる方の住宅の増築をした事があります。その方は、
「ダムの場合は、強固な岩盤が出るまで、発破で土を吹き飛ばして行く。」
「住宅は、この様に探る様に考察して地盤を見極めるのは大変だ。」
そうなんです、木造2階建ての比較的軽量な建物ですから、強固な地盤が目視できるまで掘り進む事はありませんし(あと10cm~20cmであればやる事もあります)、軽量な建物にオーバークオリティーな基礎で予算の大半を使うような事も避けたいのです。

地盤調査
スクリューポイント

引き上げられたスクリューポイントの先端、匂いも確認いたします。調査員の方は「かすかな植物を感じさせるもの」。それは上部に着いている黒ぼくだと思われ、先端3cm位までに付いた明るい褐色の土質、砂というより火山灰が圧縮されて強固な地盤になったもののよう。

この辺りは、2万4千年前にあった黒斑山の山体崩壊から離山火山が出来たときに形成された地盤、地盤に棒を突き立てて、2万年前の地面との会話。

想像を巡らす楽しいひととき。


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お庭造り

軽井沢の庭造り

昨年、新築した住宅の、この前から進めておりました庭造りが一区切りになりました。

軽井沢のお庭
緑化ブロック

今から見ると、緑化ブロックを並べている当たりは、景色が殺伐としておりました。

軽井沢のお庭
緑化ブロックと芝が生えてきたところ

芝が落ち着いて来て、良い感じになって来ております。

軽井沢のお庭
鉄平石と浅間山の焼石

この敷地に有った浅間の焼石と、浅科山の麓でとれる鉄平石のを使っております。
細かい砂利も浅間の焼石です。

緑化ブロックの間に蒔いた芝も、元気に発芽しております。

軽井沢のお庭
主屋と揃えた意匠の物置小屋

車の走る路盤も、軽井沢らしく緑化です。
また、小屋や薪棚も主屋に雰囲気を合わせ製作です。

芝や植栽した木々の成長が楽しみです。

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ちぢみざさの家

窓の配置

軽井沢町に建築された住宅です。
施主さんは東京から軽井沢に移住し、当初はマンションに住まわれておりましたが、軽井沢の自然を身近に感じたいとの事で、1戸建ての住宅を希望されました。
リビングは三和土の土間にし、外から家の中へのアプローチを容易にし、愛犬との生活を楽しんでおられます。

建築地:軽井沢町 軽井沢

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ホームページを作り直しました

前のホームページの製作からかれこれ10年、それは、自分で一から作ったホームページで、とりあえず、ネットに立ち上げて、徐々に足したり直して行くつもりでしたが、ほぼそのままで10年が経ってしまいました。

今回はプラットホームをプロに作っていただいて、私が肉付けして行こうという作戦です。
また、前回と同じ事にならない様に気をつけなければ。

しかし、ここ10年の杜の工房は、ネットに関係ない「口コミ」だけでやってくる事ができました。
これは、ただ・ただ、世間様には、感謝です。

他所で建築が終ったお方と出会い、
「なんで、もっと宣伝しておいてくれないの!」
なんて会話があり、やっぱり、ホームページはしっかりと運営しおかなければ、と思うシーンがあります。
情報だけは、発信して行こうと思っております。

今後とも、宜しくお願い致します。

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南原の家

軽井沢の厳しい建ペイ・容積率のおかげで、凝縮した空気が醸し出される山荘です。
玄関土間を建物中央部に大きく配しストーブスペースを兼ねて、居間から合い向かう和室には「渡り廊下」でアプローチするエッセンスを込め、和室を「離れ」のような雰囲気に仕立てました。
小さな建物ですから、薪ストーブがリニアに効き、まさにヒューマンスケールの香り漂う山荘です。

建築地:軽井沢町 南原

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南平台の家

軽井沢にマンションをお持ちの施主さんが、土に親しみたいとのご要望で計画した平屋の建物です。
デッキやベランダの中間領域や、全開口のサッシを用いて外に開いて行く建物です。
時折お伺いいたしますと、お施主さんは家庭菜園や山野草を楽しまれている光景が微笑ましい山荘です。

建築地:軽井沢町 南平台

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追分の家

別荘の建て替えで計画されたこの建物は、別荘の敷地内に自生する、亡くなられたご主人との思い出の詰まった赤松を、新たな建物のキーとして使用する事が重要な設計のポイントとなっております。
厳冬期に新月伐採されたその材は、建物の幅いっぱいの長尺材に木採りされ、建物を貫くように梁として用いられています。
その他の材料は地松に合うように、地産材を全ての部材に使用し建てられました。
何処となく落ち着く空気を持った建物です。

建築地:軽井沢町 追分

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