木の柄合せ

登り梁のある吹き抜け

内装が進んでおります。
国産杉の無節の板、和室の天井はそうしました。
畳のお部屋は、一段、格式が上がる感じと思います。

杉の無垢板
和室の天井

設計時点では、居間の吹き抜けの天井を無節で、張ろうかと思いましたが、現場で職人さんと板の柄を合わせながら確認しました。

登り梁のある吹き抜け
居間の吹き抜け

登り梁と母屋が建築当初のもので、ここに無節のきれいな板を合わせると、梁と母屋の古い表情が浮き過ぎます。
それでは、居間に絡む部分の腰壁と置き換え、張りました。
少し大らかな表情と、少し締まった表情のある壁、良い感じだと思います。

階段
階段の腰壁

冷蔵庫や洗濯機を置く部分は裏方で、節有りの国産杉の板です。

腰壁
居間の壁

無垢の板は、バランスが難しいものです。
それではと、無節ばかり出揃えると、実生活と浮いたものになることと思います。
一つの風景の中に、複数の表情の景色を持った板が混在する。
なんとなく、落ち着く感じ。

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胃袋に穴が空くⅡ

建物を浮かせたままの基礎工事、こんな事、嫌なんですが、要所をジャッキアップし、補強も慎重に入れた状態。

哲学者の先生は、「ユニットバスでもいい」というお話しですが、いや、先生がユニットバスに入っている光景は考えられないのです。

設計屋は、五右衛門風呂を作りたくて、大掛りな基礎工事。
建物は宙に浮いたまま。

ユニットバスは先生に合わない。

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胃袋に穴が空く

画像の左側、柱が切られ、土台が撤去され、建物が中に浮いている。
建物が倒壊しない様に、ジャッキを架けるも、全てが勘の領域。
大工さんと相談しながら、建物をジャッキアップする。
若いときに、こんな仕事を請けていれば、間違いなく一晩で胃袋に穴が空く。
「明日、行ったら建物が倒れているのでは!」と。

石垣に盛土と思われる部分は、圧密沈下を起こしていると思われる部分、ジャッキアップ作業。

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築100年の改築

知人の哲学者の、山の家の改築。
「そんな、素晴らしい古民家じゃないから、後世に残すというものじゃない。」
そんな言葉を頂いて、設計屋は今後の設定寿命を30年から40年と考える。

近年の改築に使ったと思われる新建材のベニヤ板、条件の良い天井なのに、「ベロベロ」。
なんだ、この気持ちの悪い材料は。
新建材、だらしなく数十年も耐えていない。

建築当初の栗の土台、土に触れていても、なにの問題もない。
新建材に比べると、流石の表情、条件の悪い土台の位置で余裕で100年。
そして、当時の大工の息吹が感じられる切削痕。

私も解体作業に参加し、時代の生き証人と対面。
過去を検証すれば、未来が見える。

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