仕上

蓼科の現場は、仕上の工程に入り、職人さんの出入りが増えております。
内部に組まれた足場の上で、左官屋さんが仕上の漆喰を塗っております。

漆喰壁は「純白」・「平滑」に憧れを持っていた、古来の日本人が求めて来た工法だと思います。
当然ですが、自然の中では、純白・平滑面はそんなに出会う事がありません。
「純白」・「平滑」 、もしかすれば、それは人間のコントロール下に置かれた状況かも知れません。

今回は、 「純白」・「平滑」 を崩す。
そんな、お打ち合わせから始まりました。

色を入れる訳ではありません。
鏝痕のパターンを目立たせるのではないのです。
それは、ただ、
「純白」・「平滑」 を崩す。

画像に、光源が2つ写り込んでおります。
冒頭の画像にも、光源が2つ。
漆喰は、光と織り合って表情を変えます。

軽井沢の職人|左官
漆喰の押え込み

煉瓦屋さん、薪ストーブを置く煉瓦の台を施工中です。

軽井沢の職人|煉瓦積み
薪ストーブ回りの煉瓦積み

焼き過ぎの還元状態で焼いた煉瓦、その後、転がしを加えられてワイルドな表情です。
日本製のれんがですから、寸法には動きがありませんが、表情は多彩です。
これをタイルの様に仕上ては表情が違う、煉瓦は煉瓦たる表情を引き出す。

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琺瑯バス

造りの浴室

左官屋さんをはじめ、大工さん、設計屋の私も浴槽に手を掛けております。

造りの浴室
琺瑯浴槽の設置

左官屋さん、
「もっと軽い浴槽があるんだよ!」
「人造大理石だっていいじゃん!」

兎に角、琺瑯バスが重いので、色々なお話しが出て来ます。

一昨年だったか、琺瑯バスの東京営業所の所長が、我が事務所にご挨拶に来た事がありました。
納期が長くなっていたところで、所長は、お詫びを兼ねたご挨拶にいらっしゃいました。

なんでも東京オリンピックに向けて、高級ホテルが建築ラッシュで、そこに、琺瑯バスが取られて生産が追い付かないとの事。
1泊に諭吉さんが10枚も要る様な高級ホテルでは、ユニットバスはおろか、人造大理石でも駄目な様です。
リッツカールトンやフォーシーズンでは、琺瑯バスと自然石かタイルな様です。

造りの浴室
現場に納まった琺瑯バス

皆さんのご協力で、現場に納まった琺瑯バス。
上部は木曽のサワラです。

重くて施工が難航しますが、それだけの価値のあるものの事と思います。

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木の柄合せ

登り梁のある吹き抜け

内装が進んでおります。
国産杉の無節の板、和室の天井はそうしました。
畳のお部屋は、一段、格式が上がる感じと思います。

杉の無垢板
和室の天井

設計時点では、居間の吹き抜けの天井を無節で、張ろうかと思いましたが、現場で職人さんと板の柄を合わせながら確認しました。

登り梁のある吹き抜け
居間の吹き抜け

登り梁と母屋が建築当初のもので、ここに無節のきれいな板を合わせると、梁と母屋の古い表情が浮き過ぎます。
それでは、居間に絡む部分の腰壁と置き換え、張りました。
少し大らかな表情と、少し締まった表情のある壁、良い感じだと思います。

階段
階段の腰壁

冷蔵庫や洗濯機を置く部分は裏方で、節有りの国産杉の板です。

腰壁
居間の壁

無垢の板は、バランスが難しいものです。
それではと、無節ばかり出揃えると、実生活と浮いたものになることと思います。
一つの風景の中に、複数の表情の景色を持った板が混在する。
なんとなく、落ち着く感じ。

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内装を進行中

カーテンボックスです。
ブラインドを付ける予定ですので、ブラインドボックス。
目に付かない様に最小の大きさでとのご要望で、小さくほっそりと。

材料は国産杉の天然乾燥もの。
優しい表情、柔らかな雰囲気。

柄の合わせ、節の配置。
大工さん、狙っております。

階段下も造り込み中。
家具を造りこんでいる様なもの、手間は掛かりますが、雰囲気は、国産材と併せ柔らかく繊細な感じ。

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