現場の帰り道、スーパーに寄ったら、黒舌がショーケースの中にあり、夏を感じる食材、嬉しくなって買って来た。
「旬を食べる。」
食品の保存技術が向上した現代だからこそ、採れたてを「そのときに頂く」、そんな事が贅沢になった気がする。
我が家に来る道路の脇に、淡竹が自生している。
自生といっても、先人が、その竹を「資材」として農作業や家造りに利用しようと植えたものだと、容易に想像ができる。
だから、自生ではなく、正しくは植林かもしれない。
その副産物が筍。
淡竹の筍は灰汁は強くなく、身は固くなく、軽く下茹ですると、色々な料理に使うことが出来る。
淡竹の穂を、山葵醤油で頂く。
軽井沢の初夏を感じさせる、贅沢な一品。
山葵醤油でなく、春先に仕込んだばかりの若い味噌を当てても、捨てがたいフッレッシュな味わい。
淡竹でメンマもできる。
少し唐辛子を煽って辛口にすれば、食卓の酒も進む。
そんな事で、この時期は楽しみで、竹林の林床を見渡す。
家に誰もいない忙しい昼に、「簡単に、」と思って握った筍御飯の塩握り、味わってみれば飛び切りの御馳走。
現代だからこそ、季節に寄り添う、という贅沢。